なぜ大道芸人になろうと思ったか?
けいこ:
それでは恋塚さん、なぜ大道芸人になろうと思われたんですか?
恋塚さん:
私若いときから、お笑い芸人をめざしとったんですよ。それで漫才学校に行きまして、卒業したら吉本に入るようになっとったんですけども、親に泣かれて泣かれて。そういう関係で夢を諦めて、当時勤めていた会社で大阪から名古屋の方に転勤したんです。そしてまぁ家も建てまして、子供も大きくなりましたので、よし、夢をもう一度ということで。大勢の前で自分の演技を見せる、これはやっぱし大道芸しかないと。
それで私、会社を定年になってから家でコツコツとまずローラーのりを一生懸命練習しまして。
けいこ:
ローラーのり!
恋塚さん:
はい。
けいこ:
60歳から!
恋塚さん:
はい、60歳から。
けいこ:
あ、危なくないですか?
恋塚さん:
いやいや、そんなことないですよ。
けいこ:
そうですか。
恋塚さん:
62か3歳くらいのときに、「もう〜こいこいさん、プロでやろや」と。「俺がいろいろ連れていくわ」と、二回り下の人に言われて部下みたいになって。それがスタートで、13〜4年プロとしてあっちこち東海3県、いろいろ年100回くらいやりました。
60歳からは給料の安いパートをやりながら、土日はもうずっと続いてやっていました。
これからの夢は?
恋塚さん:
大道芸は、家内が認知症になり、もう僕がおらなきゃダメだというまでやりました。本当はもっとやりたかったんですけど、はい。とりあえず、プロとしてですね。
けいこ:
プロとしてねぇ!
恋塚さん:
その後は、非常に落ち込みまして、大道芸を辞めたんです。それで、道具を全部倉庫の中にしまったんですけど、まぁ80歳の手前で、もう1回今度はボランティアでやろうと大道芸を再開しました。
いままでは子供たちに夢をということで、60歳からは保育園とか幼稚園とかそういうとこに行って芸をしていましたが、今度80歳からは僕とおんなじような年代の人にみてもらおうと。じぃーっとなかなか笑わないそういう人をなんとか笑かしてやろうということで、このケンちゃんと一緒に。
けいこ:
う〜ん!ケンちゃん!
恋塚さん:
ええ、ケンちゃんは、よくみなさん笑っていただけますんで、ケンちゃんと風船とこのジャグリングで。
けいこ:
はぁ〜〜〜!
恋塚さん:
だから僕は若いときの夢をずっと60歳からずっと未だに持ち続けているんです。あと100歳くらいまではやりたいなと、本音です、これは。
けいこ:
すごい!
面白がることが若さのヒント
恋塚さん:
今は背中が曲がったらダメだと思って、意識して週5回はポールウォーキングをしてます。
とにかく長生きしようと思ったら何かしなきゃいけないもので。
今、髪を伸ばしているのも年寄りで髪伸ばしてる人いないな、と思って「伸ばしたろ」と思ったんです。80歳になったときに何をしようか考えたら、人と変わったことをしたいなと思ったんです。80歳からはまた100歳まで生きるためのスタートだと思って、大道芸以外にもまたいろいろ挑戦したいなと思っています。
70前後になると、「歳や歳や」いう人がいますけど、僕はそんな風に思ったことは全くなかったですね。
けいこ:
自分で歳をとるな、と。
恋塚さん:
そうです、それを自慢にしてるから余計によくない。僕は80歳まで歳だなんて考えたことがなかった(笑)。ちょっと足が痛くなって初めて歳を意識して、ちょっと体を労らないとなと。無理しすぎないように体を鍛えながら、僕は85歳くらいになったら陸上のマスターズにでも出たいと思ってるんですよ。
けいこ:
いや、私たちは「生涯青春!」って言っていますけど、本当に「生涯青春!」を地でいかれているんだなというのが、つくづく染み渡りました。
今日はどうもありがとうございました。
恋塚さん:
ありがとうございました。